変貌するグローバルヘルスの統治構造
―― 分散化、ビッグデータの共有、研究パートナーシップ
System Failure
America Needs a Global Health Policy for the Pandemic Age
2021年5月号掲載論文
感染症を含むグローバルヘルス対策をめぐって、これまでワシントンは国際機関や途上国を中心とする各国政府に援助を提供することで、対策を主導してきたが、このアメリカ主導型のモデルに大きな変化が生じている。いまや、慈善団体、地域機構、民間企業などの、新しいネットワークと組織がグローバルヘルス領域で大きな役割を果たしているだけでなく、途上国の科学者や組織も研究やベストプラクティスをめぐって大きな影響力をもつようになった。しかも、技術革新によって民間企業に新タイプのデータがもたらされており、今後、政府と保健機関の仕事は大きく変化していくだろう。グローバルヘルスを守る努力の中枢に、各国政府、地域機関、民間部門とのパートナーシップを据える必要がある。
- グローバルヘルス領域の多角的協調
- 米主導の秩序
- ゲイツ財団の台頭
- 官民のパートナーシップ
- 先端医学研究のグローバル化
- パトロンからパートナーへ
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